CFC(Cardio-Facio-Cutaneous)症候群

【概説】
 CFC症候群は 特異的とくいてき顔貌がんぼうはい動脈どうみゃく狭窄きょうさく心房中隔しんぼうちゅうかく欠損症けっそんしょう大型だいがた心筋症しんきんしょうなどの心疾患、重度な精神発達遅滞を合併しているケースもみられる遺伝性疾患です。810,000人に1人といわれる難病で、いまのところ根本的な治療法はなく、現象に対する対症療法が主で、継続受診と、心疾患や悪性腫瘍の早期発見と早期治療が大切です。

【どんな病気?】
 細胞の増殖、分化を制御する信号の伝達経路の異常により起こる、遺伝性の病気ですが、その異常がなぜ発達障害や種々の臨床症状をきたすかについては解明されていません。1986年に初めて報告された病気で、全世界で200~300人ぐらいの患者さんがおられるのではないかと推定されています。
 側頭部の狭小きょうしょう、眉や上眼じょうがん瞼部けんぶ(目の上)の低形成が特徴的だが必ずしも顕著ではないケースもあります。この他、はい動脈どうみゃく狭窄きょうさくや心疾患(大型だいがた心筋症しんきんしょう心房中隔しんぼうちゅうかく欠損症けっそんしょう)、まばらな毛髪、全身性の魚鱗癬(ぎょりんせん;皮膚が魚のうろこのような状態になり角化しがれ落ちる)しわの深い手掌しゅしょう・足底、色黒、角化、色素班などの皮膚症状を伴うこともあります。
 心疾患は高頻度で併発しており、国内の調査ではCFC症候群と診断されているケースの36%が肥大型心筋症、45%で先天性心疾患、9%に不整脈が認められていたことが報告されています。また、成長・発達障害、精神発達遅滞は重度で、中枢ちゅうすう神経しんけいけい奇形きけいの頻度も高く、自立歩行が困難なケースや重度の精神発達遅滞を伴っているケースでは介護が必要なため施設等に入所しています。他の難病と同じく、現時点では根治的な治療法はなく、合併症に対する早期発見・早期治療が予後の改善に有用と考えられています。